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2015/2/13 | 11,172 PV |

泣ける・感動

 
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「ぼくがいるよ」/小学校4年生の男の子­が書いた作文。

第5回日本語大賞において小学生の部で文部科学大臣賞を受賞した小学校4年生の男の子­が書いた作文にまつわる感動する話です。
手術の後遺症で味覚と嗅覚を失った母へ向けた、愛の溢れるメッセージです。


ぼくがいるよ

お母さんが帰ってくる!
一か月近く入院生活を送っていたお母さんが戻ってくる
 
お母さんが退院する日
僕は友だちと遊ぶ約束もせず
寄り道もしないで
いちもくさんに帰宅した
 
久しぶりに会うお母さんと
たくさん話がしたかった
話したいことはたくさんあるんだ
 
帰宅すると、台所から香ばしい匂いがしてきた
僕の大好きなホットケーキのはちみつがけだ
 
台所にはお母さんが立っていた
少しやせたようだけど、思ったよりも元気そうで
僕はとりあえず安心した
 
「おかえり」いつものお母さんの声が
その日だけは特別に聞こえた
 
そして、はちみつがたっぷりかかった
ホットケーキがとてもおいしかった
お母さんが入院する前と同じ日常が
僕の家庭に戻ってきた
 
お母さんの様子が
以前とちがうことに気が付いたのは
それから数日経ってからのことだ
 
みそ汁の味が急にこくなったり
そうでなかったりしたので、僕は何気なく
「なんだか最近、みそ汁の味がヘン」
と言ってしまった。
 
すると、お母さんはとても困った顔をした
「実はね、手術をしてから味と匂いが全くないの
だから味付けが適当になっちゃって…」
お母さんは深いため息をついた
 
そう言われてみると最近のお母さんは
あまり食事をしなくなった
作るおかずも特別な味付けが必要ないものばかりだ
 
しだいにお母さんの手作りの料理が
姿を消していった
かわりに近くのスーパーのお総菜が
食卓に並ぶようになった
 
そんな状況を見て
僕は一つの提案を思いついた
 
僕は料理は出来ないけれど
お母さんの味は覚えている
だから、料理はお母さんがして
味付けは僕がする
共同で料理を作ることを思いついた
 
「僕が味付けをするから
一緒に料理を作ろうよ」
 
僕からの提案にお母さんは
少しおどろいていたけど、すぐに賛成してくれた
 
「では、ぶりの照り焼きに挑戦してみようか」
 
お母さんが言った
ぶりの照り焼きは家族の好物だ
 
フライパンで皮がパリッとするまでぶりを焼く
その後、レシピ通りに作ったタレを混ぜる
そこまではお母さんの仕事
 
タレを煮詰めて家族が好きな味に
仕上げるのが僕の仕事
 
だいぶ照りが出てきたところで
タレの味を確かめる
 
「いつもの味だ!」僕がそう言うと
久しぶりにお母さんに笑顔が戻った
 
その日からお母さんと僕の
共同作業が始まった
 
お父さんも時々加わった
 
僕は朝、一時間早起きをして
一緒に料理を作るようになった
 
お母さんは家族をあまり頼りにしないで
一人でなんでもやってしまう
 
でもね、お母さん、僕がいるよ
 
僕はお母さんが思っているよりも
ずっとしっかりしている
だから、僕にもっと頼ってもいいよ
 
僕がいるよ
 
いつかお母さんの病気が治ることを祈りながら
心のなかでそうくり返した


出典 Youtube

見出し画像出典先 free-photos-ls01.gatag.net

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