図書館司書による、読書感想文の書き方「小学生の頃、知りたかった!」 By - grape編集部 公開:2018-08-22 更新:2018-08-22 夏休み宿題読書 Share Tweet LINE 本が決まったら、次の方法を参考にして、早速読書感想文を書き始めてみましょう。 まず、読書感想文を書く際に1番重要な『書き出し』についてのコツを2点ご紹介します。 ・『本を選んだ理由』を、ズバリ先に書いてしまう! 1番書きやすくてオススメなのは、最初にその本を選んだ理由を簡潔に述べる方法。 「私がこの本を選んだのは、物語に出てくる料理がどれもおいしそうだったからだ」というような、一見大したことのなさそうな理由でもかまいません。 どうしても理由が見つからなかったり、1つにしぼれなかったりする人は、一度適当な紙に感じたことや印象的だった場面を書き出してみるのも手です。 その中から「1番に伝えたいのはコレだ」と思ったものを選び、理由として書き始めましょう。 ・気に入ったセリフや、心に響いた一文を引用する。 実はとても簡単で、かつ読み手をハッとさせる方法です。自分がその本を読んで、1番心に響いた登場人物のセリフや、胸にジーンときた一文を選び、読書感想文の冒頭で紹介します。 ここでポイントなのは、「どうして自分がそのセリフや一文に目を付けたか」を明確にし、続けて理由も書くことです。 例えば、夏目漱石の長編小説『吾輩は猫である』の有名な冒頭を引用して書き始めるとしたら…。 「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」 この一文を読んだとき、私の心には近所に住む1匹の猫の姿が浮かびました。 その子は飼い主のいない野良猫で、この本に出てくる猫と同じように、名前がなかったからです。 上のように、いま自分の身に起きている出来事や、過去の体験を結び付けて書くと、よりオリジナリティのある読書感想文になります。 読書感想文だからといって、本の内容ばかり書く必要はありません。普段自分が感じていることや思っていることを、文章にしてみてくださいね。 ※写真はイメージ 書き出しの後は本のあらすじを簡潔に説明する文章を入れましょう。ここで注意すべきポイントは、あらすじばかりで原稿用紙のマスを埋めようとしないこと。 子どもがおちいりやすい読書感想文の間違った書きかたに、本のあらすじばかりを述べて、肝心の感想がまったく組み込まれていないというものがあります。 読書感想文で1番大切なのは、一人ひとりが本を読んで感じたことや自身の考えを丁寧につづることです。あらすじの部分は1~2文程度に収めるのがベスト。 それでは、最後に読書感想文を書く際に使えそうな、感想のポイントをご紹介します。次の例を元に、本の感想を自由に書き出してみてください。 ・読んで1番心に残った場面はどこか。 ・好きだと思う場面、もしくは嫌いだと感じる場面はどこか。 ・登場人物のセリフや行動に共感、もしくは反感を抱いたか。それはなぜか。 ・登場人物同士の関係性に注目。家族や友人など、さまざまな関係性から感じとったことはあるか。 ・書いた作者に注目してみる。自分と共通点があれば、そこを掘り下げてみる。 ・その本で作者が伝えたかった『テーマ』は何か、自分なりに考えてみる。 読書感想文を書く時に1番必要なのは、「宿題だから書かなくてはいけない」という意識を捨て去ることです。 普段、家族や友人と過ごす中で感じていることや、部活動などで得た知識など、その子にしか伝えられない思いは誰しも持っているもの。 周囲の人たちに、1冊の本を介して自分自身の中にある気持ちや考えを伝えてみましょう。心を込めて書く言葉は、必ず誰かの心に届きます。 1 2 出典grape Share Tweet LINE
本が決まったら、次の方法を参考にして、早速読書感想文を書き始めてみましょう。
まず、読書感想文を書く際に1番重要な『書き出し』についてのコツを2点ご紹介します。
・『本を選んだ理由』を、ズバリ先に書いてしまう!
1番書きやすくてオススメなのは、最初にその本を選んだ理由を簡潔に述べる方法。
「私がこの本を選んだのは、物語に出てくる料理がどれもおいしそうだったからだ」というような、一見大したことのなさそうな理由でもかまいません。
どうしても理由が見つからなかったり、1つにしぼれなかったりする人は、一度適当な紙に感じたことや印象的だった場面を書き出してみるのも手です。
その中から「1番に伝えたいのはコレだ」と思ったものを選び、理由として書き始めましょう。
・気に入ったセリフや、心に響いた一文を引用する。
実はとても簡単で、かつ読み手をハッとさせる方法です。自分がその本を読んで、1番心に響いた登場人物のセリフや、胸にジーンときた一文を選び、読書感想文の冒頭で紹介します。
ここでポイントなのは、「どうして自分がそのセリフや一文に目を付けたか」を明確にし、続けて理由も書くことです。
例えば、夏目漱石の長編小説『吾輩は猫である』の有名な冒頭を引用して書き始めるとしたら…。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」
この一文を読んだとき、私の心には近所に住む1匹の猫の姿が浮かびました。
その子は飼い主のいない野良猫で、この本に出てくる猫と同じように、名前がなかったからです。
上のように、いま自分の身に起きている出来事や、過去の体験を結び付けて書くと、よりオリジナリティのある読書感想文になります。
読書感想文だからといって、本の内容ばかり書く必要はありません。普段自分が感じていることや思っていることを、文章にしてみてくださいね。
※写真はイメージ
書き出しの後は本のあらすじを簡潔に説明する文章を入れましょう。ここで注意すべきポイントは、あらすじばかりで原稿用紙のマスを埋めようとしないこと。
子どもがおちいりやすい読書感想文の間違った書きかたに、本のあらすじばかりを述べて、肝心の感想がまったく組み込まれていないというものがあります。
読書感想文で1番大切なのは、一人ひとりが本を読んで感じたことや自身の考えを丁寧につづることです。あらすじの部分は1~2文程度に収めるのがベスト。
それでは、最後に読書感想文を書く際に使えそうな、感想のポイントをご紹介します。次の例を元に、本の感想を自由に書き出してみてください。
・読んで1番心に残った場面はどこか。
・好きだと思う場面、もしくは嫌いだと感じる場面はどこか。
・登場人物のセリフや行動に共感、もしくは反感を抱いたか。それはなぜか。
・登場人物同士の関係性に注目。家族や友人など、さまざまな関係性から感じとったことはあるか。
・書いた作者に注目してみる。自分と共通点があれば、そこを掘り下げてみる。
・その本で作者が伝えたかった『テーマ』は何か、自分なりに考えてみる。
読書感想文を書く時に1番必要なのは、「宿題だから書かなくてはいけない」という意識を捨て去ることです。
普段、家族や友人と過ごす中で感じていることや、部活動などで得た知識など、その子にしか伝えられない思いは誰しも持っているもの。
周囲の人たちに、1冊の本を介して自分自身の中にある気持ちや考えを伝えてみましょう。心を込めて書く言葉は、必ず誰かの心に届きます。