高齢者の万引きを止めた息子 帰宅後、『苦悩した理由』にハッとする By - grape編集部 公開:2020-04-24 更新:2020-04-24 息子犯罪考え方 Share Tweet LINE ※写真はイメージ 『正義』や『正解』は1つではないからこそ、多くの人が時に悩み、時に意見がぶつかり合うことも。 占術家の岩波れいみんさんは、息子さんのエピソードをブログに投稿。反響が寄せられています。 漫画を万引きしようして見つかったおじいさん ある日、もうすぐ20歳になる息子さんから「お母さん、今、ちょっといい?」と神妙な面持ちでいわれた岩波さん。 息子さんから話を聞くと、帰宅途中に寄ったコンビニで、なんと万引きの瞬間を目撃してしまったといいます。 漫画の立ち読みをしていた人が、そのまま商品をスッとカバンに入れたため、息子さんは「それお金払ってないですよね?」と声を掛けたとのこと。 すると、その人はカバンから漫画を取り出し、レジで会計をして去っていきました。 立ち去るまで見届けた息子さんは、念のためコンビニの店員に「あの人、最初お金を払わずに漫画をカバンに入れて、僕が声をかけたら会計しました。また来たら気を付けたほうがいいですよ」と伝えたそうです。 息子さんが悩む理由 話を聞いて、「完璧な対応ではないか」と思った岩波さん。 しかし、逆上される危険もあったため、息子さんを心配して次のように尋ねました。 「でも、相手が逆ギレしなくてよかったね。どんな人だったの?怖い感じの人じゃなかった?」 息子さんの返答は…。 「かわいそうな感じのおじいちゃん」 ※写真はイメージ 詳しく尋ねると、おじいさんは漫画の『ドラえもん』を万引きしようとしていた様子。それを聞いた岩波さんは、息子さんが父方の祖父のことが大好きだったことを思い出しました。 息子さんのことをとてもかわいがっていた祖父は、息子さんが中学生の時に風邪をこじらせて肺炎に。病院のベッドで、80歳あまりで息を引き取りました。 そんな祖父との温かな思い出もあって、今回のおじいさんの万引きは、息子さんにとってよほどショックな出来事だったのでしょう。 岩波さんから「君が声をかけてあげたおかげで悪いことをせずに済んだのだから、そのおじいちゃんを救ってあげたことになるんじゃない?」といわれても、ネットに書いてあった「絶対警察に突き出すべき」という言葉に心揺れた息子さん。 自身の対応を『正解』と思えず、「僕の対応、あれでよかったのかなあ?」と悩んでしまったのでした。 貧困や困窮や転売目的で行われる万引きのほか、万引きを止められない病気である『窃盗症』などもあり、人が万引きをしてしまう理由はさまざま。おじいさんが万引きをした背景にも、何か事情があったのかもしれません。 おじいさんのことを思うからこそ、息子さんは自分の対処に問題はなかったかと考え続けたのではないでしょうか。 岩波さんは、ブログで改めて次のようにつづっています。 これからはますます、大人として自分で判断していかなくてはならないことが、たくさん出てくると思います。 そして今回のような場合は、『正義』とか『正解』を求めるのは難しい気がします。 まだ人生経験が少ない息子には、いろいろな経験を通じて自分で考えたり悩んだりしながら答えを見つけていってほしいと思っています。 店側からしたら万引きは迷惑千万。罪を犯したら、裁かれるべきなのかもしれません。 しかし、視点を変えると、簡単に『正義』や『正解』は決められないことだと分かってきます。 自分の認識を疑い、「本当にこれで合っているのか」と問い続けるのは大切なこと。きっと、息子さんは自分の頭で考えられる大人へと成長していくことでしょう。 出典grape/岩波れいみんオフィシャルブログ Share Tweet LINE
『正義』や『正解』は1つではないからこそ、多くの人が時に悩み、時に意見がぶつかり合うことも。
占術家の岩波れいみんさんは、息子さんのエピソードをブログに投稿。反響が寄せられています。
漫画を万引きしようして見つかったおじいさん
ある日、もうすぐ20歳になる息子さんから「お母さん、今、ちょっといい?」と神妙な面持ちでいわれた岩波さん。
息子さんから話を聞くと、帰宅途中に寄ったコンビニで、なんと万引きの瞬間を目撃してしまったといいます。
漫画の立ち読みをしていた人が、そのまま商品をスッとカバンに入れたため、息子さんは「それお金払ってないですよね?」と声を掛けたとのこと。
すると、その人はカバンから漫画を取り出し、レジで会計をして去っていきました。
立ち去るまで見届けた息子さんは、念のためコンビニの店員に「あの人、最初お金を払わずに漫画をカバンに入れて、僕が声をかけたら会計しました。また来たら気を付けたほうがいいですよ」と伝えたそうです。
息子さんが悩む理由
話を聞いて、「完璧な対応ではないか」と思った岩波さん。
しかし、逆上される危険もあったため、息子さんを心配して次のように尋ねました。
「でも、相手が逆ギレしなくてよかったね。どんな人だったの?怖い感じの人じゃなかった?」
息子さんの返答は…。
「かわいそうな感じのおじいちゃん」
※写真はイメージ
詳しく尋ねると、おじいさんは漫画の『ドラえもん』を万引きしようとしていた様子。それを聞いた岩波さんは、息子さんが父方の祖父のことが大好きだったことを思い出しました。
息子さんのことをとてもかわいがっていた祖父は、息子さんが中学生の時に風邪をこじらせて肺炎に。病院のベッドで、80歳あまりで息を引き取りました。
そんな祖父との温かな思い出もあって、今回のおじいさんの万引きは、息子さんにとってよほどショックな出来事だったのでしょう。
岩波さんから「君が声をかけてあげたおかげで悪いことをせずに済んだのだから、そのおじいちゃんを救ってあげたことになるんじゃない?」といわれても、ネットに書いてあった「絶対警察に突き出すべき」という言葉に心揺れた息子さん。
自身の対応を『正解』と思えず、「僕の対応、あれでよかったのかなあ?」と悩んでしまったのでした。
貧困や困窮や転売目的で行われる万引きのほか、万引きを止められない病気である『窃盗症』などもあり、人が万引きをしてしまう理由はさまざま。おじいさんが万引きをした背景にも、何か事情があったのかもしれません。
おじいさんのことを思うからこそ、息子さんは自分の対処に問題はなかったかと考え続けたのではないでしょうか。
岩波さんは、ブログで改めて次のようにつづっています。
これからはますます、大人として自分で判断していかなくてはならないことが、たくさん出てくると思います。
そして今回のような場合は、『正義』とか『正解』を求めるのは難しい気がします。
まだ人生経験が少ない息子には、いろいろな経験を通じて自分で考えたり悩んだりしながら答えを見つけていってほしいと思っています。
店側からしたら万引きは迷惑千万。罪を犯したら、裁かれるべきなのかもしれません。
しかし、視点を変えると、簡単に『正義』や『正解』は決められないことだと分かってきます。
自分の認識を疑い、「本当にこれで合っているのか」と問い続けるのは大切なこと。きっと、息子さんは自分の頭で考えられる大人へと成長していくことでしょう。