「どういう状況?」 大学内でヤギと見つめ合う女子大生 横浜国大の『珍部活』を覗いてみた By - grape編集部 公開:2023-06-22 更新:2023-06-22 ヤギ動物大学大学生横浜市 Share Tweet LINE 「動物がちょっと怖かった」部員も? 入部のきっかけ 『ヤギ部』では、2023年現在25人前後の学生が参加しています。 部員のみなさんに、入部のきっかけを聞いてみました。 ――何をきっかけに『ヤギ部』に入ろうと思ったの? イイダさん もともと動物が好きで、1年生の時、入学と同じくらいのタイミングで『ヤギ部』の存在を知りました。 どんな活動だろうと楽しみにしていたら、小池教授から有志の部員募集のメールがまわってきて、その説明会で入部を決めました。 オウさん 動物が好きだったので興味がありました。私は留学生なのですが、ほかの日本人の学生さんと知り合う機会があまりなかったのが、ちょっと厳しいかなと思い、交流の目的もあって入りました。 コマツさん 今年入ったばかりなのですが、入学当初にチラシをもらった友達に、学科の説明会に行きたいと誘われ、付いて行きました。 結果的に自分のほうが、ヤギ部にハマってしまった感じです。 ほかの学部の学生も一緒になる授業で、『ヤギ部』だって話すとみんな「どうやって入るの?」とすごく興味を持たれます。 モリタさん 自分は、大学の近隣にある畑で植え付けや収穫、販売までを学生が行う活動も行っています。それもあって、ヤギの除草に関心がありました。 実は、動物は好きで興味もあるんだけど、ちょっと怖くて触れなかったんです。 イイダさんに誘ってもらって、ヤギ部に入ったら、克服して、猫とかも触れるようになりました。 イイダさんいわく、モリタさんは見学に来た時は、柵越しに恐るおそるヤギに触れていたとのこと。 ちょっとずつ距離を縮めて、入部後は割とすぐに触れ合えるようになったといいます。 入部前は動物に触れられなかったモリタさんも、今では「ヤギがかわいくてたまらない」とのこと 最初から強い興味を持っていた人もいれば、友達に誘われた流れで入部したケースもあり、その理由はそれぞれですね。 しかし、『ヤギ部』の魅力について聞いたところ、「とにかく、ヤギがかわいい!」と意見が一致していた4人。 日々ヤギと過ごすうちに、その愛らしさにメロメロになってしまうようです。 イイダさん けっこう表情が豊かで、「おやつちょうだい」って顔をしたり、機嫌が分かりやすかったりとか。 ご機嫌に日向ぼっこしている顔とか、ニコニコしていてめっちゃかわいいです。 食後、気持ちよさそうに木陰で休憩するヤギ ヤギの世話で大変なのは『移動』 ゆったりと草を食べる姿がかわいくて心癒されるヤギですが、動物を飼育するというのは、当然一筋縄ではいかないもの。 普段のお世話について大変なことを聞いてみました。 ――ヤギの世話で大変だと感じたことは? オウさん 2匹はおやつをめぐるケンカが激しくて。おやつをあげる時に勢いあまって足を踏まれます。けっこう重いので、足が痛いです。 後、ヤギは50~60kgくらいあるので、本気で引っ張られると簡単に止められない。慣れていないうちは、1人で移動させることはないようにしています。 モリタさん 除草のために、普段過ごしている小屋からここまで移動させるのが、本当に大変で。 道の真ん中で座り込んだりとか、文字通り道草をくうことも多いです。そうなると、引っ張っても動かないので…。 体重が50~60kgにもなるヤギを移動させるのが、一番苦労するとのこと。 除草が終わった後、小屋まで帰る様子を見学させてもらいました。 まだヤギの移動に慣れていない1年生のコマツさん。先輩のオウさんと一緒に『さんご』を連れて歩きますが…。 全然いうことを聞かない…! 道草する『さんご』を元のコースに戻そうと奮闘しますが、なかなか動いてくれません。 小型犬であれば抱きかかえることもできますが、体重50kgにもなるヤギとなると、そう簡単にはいきません。 ツツジを食べようとする『さんご』を必死で止める場面も…!ツツジはヤギにとっては有毒なため、お腹を壊してしまうことがあるそうです。 ついには、つられて、『よんよん』までコースを外れて道草を始めてしまいました。 奮闘する『ヤギ部』部員たちを横目に「ヤギって意外と大きいね~」とのん気に話しながら通り過ぎる、ほかの学生たち。 「日暮れまでに小屋にたどり着けるのだろうか」と内心ちょっぴり心配していると、そこに現れたのは…。 ど、どちらさま…? どこからか知的な雰囲気の紳士が登場したかと思いきや、ヤギたちのリードをサッと手に取りました。 実はこちらの紳士は、『ヤギ部』の発起人で、除草実験を行っている小池文人教授です。イイダさんからヘルプの連絡を受けて直々に駆け付けてくれました! 小池教授がヤギたちの紐を持ったとたん、あら不思議!スタスタと進みだしました。さすがすぎます…。 「前に人が歩いたほうが、ヤギが群れだと思って歩きますよ」と移動のコツを部員たちに助言しながら、あっという間に小屋まで連れて行ってくれました。 モリタさん ヤギたちは、一番先生に懐いているので、移動も早いんです。 学生だと、30分くらいかかってしまうこともあって、そうなると、ヤギも「なんでこんなに歩かなきゃならないの」って不機嫌になって、なおさら進まない…。 先生に来てもらってもヤギのご機嫌が治らなくて、除草をお休みにしたこともあります。 『ヤギ部』では、その日の天候やヤギの気分によって、予定していた活動を変更することも、しばしば。 自然や動物を相手にした『思い通りにいかない経験』ができるのは、『ヤギ部』ならではのだいご味かもしれませんね。 『ヤギ部』の活動は奥深かった 『ヤギ部』の活動に参加しながら、自然や生き物に関わる分野での就職や、研究の道をそれぞれ模索しているという、部員のみなさん。 ヤギとの触れ合いによって、『癒し』を得られるだけでなく、周辺に生育する植物に目を向けて、生物多様性について考えを深めるきっかけになっているようです。 なにより、ヤギのかわいいところを話す時の、生き生きとした表情が、とても素敵でした! 『ヤギ部』のtwitterで、ヤギたちの様子も発信しています。かわいいヤギの姿を見たい人は、ぜひ覗いてみてくださいね! 横国ヤギ部twitter:@yokoeconanoda 1 2 出典grape Share Tweet LINE
「動物がちょっと怖かった」部員も? 入部のきっかけ
『ヤギ部』では、2023年現在25人前後の学生が参加しています。
部員のみなさんに、入部のきっかけを聞いてみました。
――何をきっかけに『ヤギ部』に入ろうと思ったの?
もともと動物が好きで、1年生の時、入学と同じくらいのタイミングで『ヤギ部』の存在を知りました。
どんな活動だろうと楽しみにしていたら、小池教授から有志の部員募集のメールがまわってきて、その説明会で入部を決めました。
動物が好きだったので興味がありました。私は留学生なのですが、ほかの日本人の学生さんと知り合う機会があまりなかったのが、ちょっと厳しいかなと思い、交流の目的もあって入りました。
今年入ったばかりなのですが、入学当初にチラシをもらった友達に、学科の説明会に行きたいと誘われ、付いて行きました。
結果的に自分のほうが、ヤギ部にハマってしまった感じです。
ほかの学部の学生も一緒になる授業で、『ヤギ部』だって話すとみんな「どうやって入るの?」とすごく興味を持たれます。
自分は、大学の近隣にある畑で植え付けや収穫、販売までを学生が行う活動も行っています。それもあって、ヤギの除草に関心がありました。
実は、動物は好きで興味もあるんだけど、ちょっと怖くて触れなかったんです。
イイダさんに誘ってもらって、ヤギ部に入ったら、克服して、猫とかも触れるようになりました。
イイダさんいわく、モリタさんは見学に来た時は、柵越しに恐るおそるヤギに触れていたとのこと。
ちょっとずつ距離を縮めて、入部後は割とすぐに触れ合えるようになったといいます。
入部前は動物に触れられなかったモリタさんも、今では「ヤギがかわいくてたまらない」とのこと
最初から強い興味を持っていた人もいれば、友達に誘われた流れで入部したケースもあり、その理由はそれぞれですね。
しかし、『ヤギ部』の魅力について聞いたところ、「とにかく、ヤギがかわいい!」と意見が一致していた4人。
日々ヤギと過ごすうちに、その愛らしさにメロメロになってしまうようです。
けっこう表情が豊かで、「おやつちょうだい」って顔をしたり、機嫌が分かりやすかったりとか。
ご機嫌に日向ぼっこしている顔とか、ニコニコしていてめっちゃかわいいです。
食後、気持ちよさそうに木陰で休憩するヤギ
ヤギの世話で大変なのは『移動』
ゆったりと草を食べる姿がかわいくて心癒されるヤギですが、動物を飼育するというのは、当然一筋縄ではいかないもの。
普段のお世話について大変なことを聞いてみました。
――ヤギの世話で大変だと感じたことは?
2匹はおやつをめぐるケンカが激しくて。おやつをあげる時に勢いあまって足を踏まれます。けっこう重いので、足が痛いです。
後、ヤギは50~60kgくらいあるので、本気で引っ張られると簡単に止められない。慣れていないうちは、1人で移動させることはないようにしています。
除草のために、普段過ごしている小屋からここまで移動させるのが、本当に大変で。
道の真ん中で座り込んだりとか、文字通り道草をくうことも多いです。そうなると、引っ張っても動かないので…。
体重が50~60kgにもなるヤギを移動させるのが、一番苦労するとのこと。
除草が終わった後、小屋まで帰る様子を見学させてもらいました。
まだヤギの移動に慣れていない1年生のコマツさん。先輩のオウさんと一緒に『さんご』を連れて歩きますが…。
全然いうことを聞かない…!
道草する『さんご』を元のコースに戻そうと奮闘しますが、なかなか動いてくれません。
小型犬であれば抱きかかえることもできますが、体重50kgにもなるヤギとなると、そう簡単にはいきません。
ツツジを食べようとする『さんご』を必死で止める場面も…!ツツジはヤギにとっては有毒なため、お腹を壊してしまうことがあるそうです。
ついには、つられて、『よんよん』までコースを外れて道草を始めてしまいました。
奮闘する『ヤギ部』部員たちを横目に「ヤギって意外と大きいね~」とのん気に話しながら通り過ぎる、ほかの学生たち。
「日暮れまでに小屋にたどり着けるのだろうか」と内心ちょっぴり心配していると、そこに現れたのは…。
ど、どちらさま…?
どこからか知的な雰囲気の紳士が登場したかと思いきや、ヤギたちのリードをサッと手に取りました。
実はこちらの紳士は、『ヤギ部』の発起人で、除草実験を行っている小池文人教授です。イイダさんからヘルプの連絡を受けて直々に駆け付けてくれました!
小池教授がヤギたちの紐を持ったとたん、あら不思議!スタスタと進みだしました。さすがすぎます…。
「前に人が歩いたほうが、ヤギが群れだと思って歩きますよ」と移動のコツを部員たちに助言しながら、あっという間に小屋まで連れて行ってくれました。
ヤギたちは、一番先生に懐いているので、移動も早いんです。
学生だと、30分くらいかかってしまうこともあって、そうなると、ヤギも「なんでこんなに歩かなきゃならないの」って不機嫌になって、なおさら進まない…。
先生に来てもらってもヤギのご機嫌が治らなくて、除草をお休みにしたこともあります。
『ヤギ部』では、その日の天候やヤギの気分によって、予定していた活動を変更することも、しばしば。
自然や動物を相手にした『思い通りにいかない経験』ができるのは、『ヤギ部』ならではのだいご味かもしれませんね。
『ヤギ部』の活動は奥深かった
『ヤギ部』の活動に参加しながら、自然や生き物に関わる分野での就職や、研究の道をそれぞれ模索しているという、部員のみなさん。
ヤギとの触れ合いによって、『癒し』を得られるだけでなく、周辺に生育する植物に目を向けて、生物多様性について考えを深めるきっかけになっているようです。
なにより、ヤギのかわいいところを話す時の、生き生きとした表情が、とても素敵でした!
『ヤギ部』のtwitterで、ヤギたちの様子も発信しています。かわいいヤギの姿を見たい人は、ぜひ覗いてみてくださいね!
横国ヤギ部twitter:@yokoeconanoda