飛行機内で『人生初の緊急対応』 医師の行動に「尊敬と感謝の念しかありません」 By - grape編集部 公開:2023-11-24 更新:2023-11-24 ANA医者手紙飛行機 Share Tweet LINE 公共交通機関で緊急事態が発生するのは、ドラマや映画などによく登場するシーン。 ですが、いざ現実で起こると、訓練をしている人でさえ冷静な対応が難しいものです。 人が倒れた際には「お医者様はいらっしゃいませんか?」とアナウンスする『ドクターコール』がありますが、医師の誰もが緊急対応の経験済みというわけではありません。 医師本人も、初めて遭遇した時には緊張が走ることでしょう。 腎臓内科医の、Dr.大野(@doctor_ono)さんは、帰国するために乗った国際線の飛行機内で人生初の緊急対応を行ったとして、当日の状況をX(Twitter)に投稿しました。 医師が人生初めての緊急対応 その日、自分の座席でうとうとしていた投稿者さんは、『ドクターコール』を受けてすぐに患者のもとへ駆けつけました。 座席に横たわっていた若い患者は、呼びかけに反応せず、いびき様の異常呼吸音だったため、命に関わる可能性から急いで救命を開始。 脈拍を確認し、気道を確保するとともに、客室乗務員に必要な道具を準備してもらうよう伝えました。 患者の状態判明 患者が倒れた時の様子を聞くと、「突然痙攣(けいれん)し始めて、その後吐いて倒れた」とのこと。 ※写真はイメージ 投稿者さんは、脳の神経細胞の活動が乱れて起きる『てんかん発作』を念頭に置き、患者の連れの人に、持参薬や既往歴などを聞いてみることに。 しかし、「あまりよく知らない」との返答だったため、患者のバッグから薬を探し、自分に見せるように伝えました。 その間に、人工呼吸器具と酸素供給源が到着。病院で普段使っているタイプではなく、客室乗務員も不慣れで接続に手間取ったものの、酸素投与ができて患者が目を開けました。 バッグから抗てんかん薬も見つかり、『てんかん発作』による意識障害が濃厚だと判断。 患者が再び昏睡する事態もありましたが、意識レベルが改善して会話も可能になり、持参の抗てんかん薬を内服してもらい、ことなきを得たといいます。 対応後、客室乗務員から感謝の手紙をもらった投稿者さんは、「飛行機内での『ドクターコール』は初めての経験だったけれど、医者をやっていてよかったと心の底から思った。うん、また頑張ろう!」と想いをつづったのでした。 投稿者さんの対応は、ネット上でまたたく間に拡散され、称賛の声が続出。 医療従事者や、体調に不安を抱える人などからの声も届いています。 ・緊急対応、かっこよすぎる…。ドラマのようなことが実際にあるのですね。 ・医療に携わる方々には尊敬と感謝の念しかありません。 ・持病があるので、「有事のことを考えて、家族や友人などにきちんと伝えておこう」と改めて思いました! ・「自分みたいな薬剤師じゃ、緊急時に役に立たない」と思っていたけど、既往歴や服用歴、サプリ摂取、アレルギーなどを確認するお手伝いができることに、この投稿で気付けました。 なお、『脳内の興奮を抑制する薬を打つための器具がそろわない』などのトラブルを振り返った投稿者さんは、このような反省点も挙げています。 『緊急時に使える器具がいつもと違うこと』『医療従事者ではない人に医療用語で指示を出すと器具を集めるのも大変なこと』など、事前に心得ていたらよりいい対応ができたかもしれない。 実際に体験して得た気付きを、次回に生かす投稿者さん。 人の命を背負う、医師としての姿勢に心打たれますね。 出典grape/@doctor_ono Share Tweet LINE
公共交通機関で緊急事態が発生するのは、ドラマや映画などによく登場するシーン。
ですが、いざ現実で起こると、訓練をしている人でさえ冷静な対応が難しいものです。
人が倒れた際には「お医者様はいらっしゃいませんか?」とアナウンスする『ドクターコール』がありますが、医師の誰もが緊急対応の経験済みというわけではありません。
医師本人も、初めて遭遇した時には緊張が走ることでしょう。
腎臓内科医の、Dr.大野(@doctor_ono)さんは、帰国するために乗った国際線の飛行機内で人生初の緊急対応を行ったとして、当日の状況をX(Twitter)に投稿しました。
医師が人生初めての緊急対応
その日、自分の座席でうとうとしていた投稿者さんは、『ドクターコール』を受けてすぐに患者のもとへ駆けつけました。
座席に横たわっていた若い患者は、呼びかけに反応せず、いびき様の異常呼吸音だったため、命に関わる可能性から急いで救命を開始。
脈拍を確認し、気道を確保するとともに、客室乗務員に必要な道具を準備してもらうよう伝えました。
患者の状態判明
患者が倒れた時の様子を聞くと、「突然痙攣(けいれん)し始めて、その後吐いて倒れた」とのこと。
※写真はイメージ
投稿者さんは、脳の神経細胞の活動が乱れて起きる『てんかん発作』を念頭に置き、患者の連れの人に、持参薬や既往歴などを聞いてみることに。
しかし、「あまりよく知らない」との返答だったため、患者のバッグから薬を探し、自分に見せるように伝えました。
その間に、人工呼吸器具と酸素供給源が到着。病院で普段使っているタイプではなく、客室乗務員も不慣れで接続に手間取ったものの、酸素投与ができて患者が目を開けました。
バッグから抗てんかん薬も見つかり、『てんかん発作』による意識障害が濃厚だと判断。
患者が再び昏睡する事態もありましたが、意識レベルが改善して会話も可能になり、持参の抗てんかん薬を内服してもらい、ことなきを得たといいます。
対応後、客室乗務員から感謝の手紙をもらった投稿者さんは、「飛行機内での『ドクターコール』は初めての経験だったけれど、医者をやっていてよかったと心の底から思った。うん、また頑張ろう!」と想いをつづったのでした。
投稿者さんの対応は、ネット上でまたたく間に拡散され、称賛の声が続出。
医療従事者や、体調に不安を抱える人などからの声も届いています。
・緊急対応、かっこよすぎる…。ドラマのようなことが実際にあるのですね。
・医療に携わる方々には尊敬と感謝の念しかありません。
・持病があるので、「有事のことを考えて、家族や友人などにきちんと伝えておこう」と改めて思いました!
・「自分みたいな薬剤師じゃ、緊急時に役に立たない」と思っていたけど、既往歴や服用歴、サプリ摂取、アレルギーなどを確認するお手伝いができることに、この投稿で気付けました。
なお、『脳内の興奮を抑制する薬を打つための器具がそろわない』などのトラブルを振り返った投稿者さんは、このような反省点も挙げています。
『緊急時に使える器具がいつもと違うこと』『医療従事者ではない人に医療用語で指示を出すと器具を集めるのも大変なこと』など、事前に心得ていたらよりいい対応ができたかもしれない。
実際に体験して得た気付きを、次回に生かす投稿者さん。
人の命を背負う、医師としての姿勢に心打たれますね。