中学生の娘「あんな靴しかないの!?」 母親に激怒したら…続く展開に涙 By - grape編集部 公開:2024-10-25 更新:2024-10-25 お母さん中学生娘家族親子愛障がい者靴 Share Tweet LINE ――履いている靴の役割は? 私たち障がい者の靴を『補装具』と呼びます。 歩く、あるいは立つ機能を補助・強化するための装具で、足先や足回りの長さ、高さなどを細かく採寸する必要があります。 そして、足の裏をどう支えるか、ソールをどう加工すれば少しでも正常な足の状態に近付くことができるか、などを考え、フルオーダーで作成されるものが一般的な『補装具』です。 障がいの程度により、市販の靴に少し加工を施すものが履ける方々もいらっしゃいますが、私の場合は『補装具』のみとなります。 『補装具』の助成金は3年に1度。 エナガさんは、松葉杖で足を引きずりながら移動するため、『補装具』である靴が数か月で傷み、何度も修理しながら我慢して使っていたといいます。 助成金を待たず、自費で30万円近く払えば購入できるものの、値段から手軽に新調することはできません。 劣化が進もうと、3年間同じ靴を履き続ける以外、選択肢がなかったのです。 ――学校に通っていた時は? 私が子供の頃、『補装具』は黒、白、赤の3色のみ。そこから色のバリエーションは増えました。 最近では、小さなお子さんがピンクやブルーといった、カラーバリエーションが豊かな『補装具』を装着した姿を目にすることもありますね。 私は、普通の小学校、中学校、高校に通っていました。みんなが履く、校舎内の上靴と同じ色にするため、選択肢は白色だけ。 大学生になると、黒い革で作るようになりました。 白い革で作ると、結局すぐに汚れてしまい、3年間持たせることができないからです。 エナガさんが『一番困ったこと』に挙げたのは、結婚式や成人式などの『ハレの日』に、どんなに華やかな衣装を着ても、安全靴のような見た目の、黒い革靴しか選択肢がないこと。 例えば、誰かのお祝いのために、適した装いで出席したくとも、足元まで合わせることができません。 ※写真はイメージ 『補装具』の上から履いて、デザインを変えるアイテムも販売されているものの、足の具合いによって使用できるか否かが分かれます。 エナガさんの足の場合、靴の装飾は不可のため、同じデザインの『補装具』を使い続けるほかありません。 ――靴の今後に望んでいることは? せめて靴先が少し細い見栄えのものや、デザインの違うもの、または軽量化など、「『補装具』のデザインを少しでも変えてみようというデザイナーさんが現れてくれたらなぁ」と祈るような気持ちでいます。 足の障がいにとっては、機能が一番大切。何よりも優先されることは、重々承知の上ですが…。普通の女性が当たり前にしている、服によって靴を選ぶおしゃれを「同じように体験してみたい」と望むことが許されたらな、という小さな希望を持っています。 50年以上、変わり映えしない靴を履き続けているエナガさん。 時代が進むにつれて、技術が進歩しているのを感じながら、このように未来に願いを託しています。 私のような足の人にも、生きているうちに、靴を自由に選んで楽しめる日が来ますように。 おしゃれな『補装具』を待ち望んでいた人々は、願いが実現したら、心からの笑顔になることでしょう。 エナガさんの想いに共鳴する人が増え、遠くない日に夢が実現されることを、多くの人が願っています。 1 2 3 出典grape/@takatakata66666 Share Tweet LINE
――履いている靴の役割は?
私たち障がい者の靴を『補装具』と呼びます。
歩く、あるいは立つ機能を補助・強化するための装具で、足先や足回りの長さ、高さなどを細かく採寸する必要があります。
そして、足の裏をどう支えるか、ソールをどう加工すれば少しでも正常な足の状態に近付くことができるか、などを考え、フルオーダーで作成されるものが一般的な『補装具』です。
障がいの程度により、市販の靴に少し加工を施すものが履ける方々もいらっしゃいますが、私の場合は『補装具』のみとなります。
『補装具』の助成金は3年に1度。
エナガさんは、松葉杖で足を引きずりながら移動するため、『補装具』である靴が数か月で傷み、何度も修理しながら我慢して使っていたといいます。
助成金を待たず、自費で30万円近く払えば購入できるものの、値段から手軽に新調することはできません。
劣化が進もうと、3年間同じ靴を履き続ける以外、選択肢がなかったのです。
――学校に通っていた時は?
私が子供の頃、『補装具』は黒、白、赤の3色のみ。そこから色のバリエーションは増えました。
最近では、小さなお子さんがピンクやブルーといった、カラーバリエーションが豊かな『補装具』を装着した姿を目にすることもありますね。
私は、普通の小学校、中学校、高校に通っていました。みんなが履く、校舎内の上靴と同じ色にするため、選択肢は白色だけ。
大学生になると、黒い革で作るようになりました。
白い革で作ると、結局すぐに汚れてしまい、3年間持たせることができないからです。
エナガさんが『一番困ったこと』に挙げたのは、結婚式や成人式などの『ハレの日』に、どんなに華やかな衣装を着ても、安全靴のような見た目の、黒い革靴しか選択肢がないこと。
例えば、誰かのお祝いのために、適した装いで出席したくとも、足元まで合わせることができません。
※写真はイメージ
『補装具』の上から履いて、デザインを変えるアイテムも販売されているものの、足の具合いによって使用できるか否かが分かれます。
エナガさんの足の場合、靴の装飾は不可のため、同じデザインの『補装具』を使い続けるほかありません。
――靴の今後に望んでいることは?
せめて靴先が少し細い見栄えのものや、デザインの違うもの、または軽量化など、「『補装具』のデザインを少しでも変えてみようというデザイナーさんが現れてくれたらなぁ」と祈るような気持ちでいます。
足の障がいにとっては、機能が一番大切。何よりも優先されることは、重々承知の上ですが…。普通の女性が当たり前にしている、服によって靴を選ぶおしゃれを「同じように体験してみたい」と望むことが許されたらな、という小さな希望を持っています。
50年以上、変わり映えしない靴を履き続けているエナガさん。
時代が進むにつれて、技術が進歩しているのを感じながら、このように未来に願いを託しています。
私のような足の人にも、生きているうちに、靴を自由に選んで楽しめる日が来ますように。
おしゃれな『補装具』を待ち望んでいた人々は、願いが実現したら、心からの笑顔になることでしょう。
エナガさんの想いに共鳴する人が増え、遠くない日に夢が実現されることを、多くの人が願っています。