優先席に座っていた次女に「あかんやろ!」 高齢男性のエピソードに「勉強になった」 By - grape編集部 公開:2022-07-12 更新:2022-07-12 福祉障がい者電車 Share Tweet LINE 高齢者や身体が不自由な人などが、優先して座れる『優先席(優先座席)』。 人によっては、一部の利用者のマナーが悪く思えることもあるようで、たびたび話題になります。 一方で、マナー違反と指摘された行為に、深い理由があることも。Twitterでは、ある親子の体験談が注目を集めました。 『マナー違反』に渇を入れる高齢者 「優先席でスマホはあかんやろ!」 高齢男性に突然、そう怒鳴りつけられたのは、電車に乗っていた中谷正恵(@ma_doumu)さん親子。 どうやら高齢男性は、優先席に座る中谷さんの次女がiPadを使用する姿を見て、マナー違反に感じたようです。しかし、次女はiPadで遊んでいたわけではありませんでした。 次女は、知的障害をあわせ持つ『自閉症スペクトラム症』。コミュニケーションに特性があり、一般的に対人関係を築くことが難しいといわれています。 次女の場合、写真やイラストならば理解することが可能。そのため、絵カードを使ったコミュニケーション支援システム『PECS®』のアプリ(PECS Ⅳ+)を使用しています。 つまり、次女にとってiPadは意思疎通を助けてくれる福祉機器で、コミュニケーションには欠かせないものなのです。 ですが、初見の人には、iPadの重要性が分からないのも無理はないのかもしれません。 中谷さんは、高齢男性に次女がiPadを使う理由を説明し、驚かせてしまったことを謝罪しました。 対する高齢男性は、次女の事情を理解したのか、バツが悪そうにしていたといいます。 電車の中でPECS®Ⅳアプリを使い始めたころ…. 勘違いされたおじさんに思いっきり背後から怒鳴られたことがありました。 優先座席でスマホはあかんやろ!と 誤解であることと、ゲームをしてるのではなく福祉機器であることを説明して、驚かせてしまったことを謝ると、罰の悪そうな感じでした。↓ pic.twitter.com/5pe03Z88Ob — 中谷正恵 (@ma_doumu) June 28, 2022 スマホやiPadは、はたから見るとなんの作業をしているのかが分かりにくいため、さまざまなシチュエーションで誤解を受けることがあります。 中谷さんが投稿した『iPadの活用方法』にハッとした人は多く、「初めて知った」という声が続々と寄せられました。 ・知識不足こそ社会の障壁なのだと、改めて感じました。 ・初めてそういったアプリがあることを知りました。勉強になります! ・唐突に怒鳴るのではなく、まずは穏やかに対話をしてほしい…。 ・善意から注意する人のほかに、人を選んで怒鳴る人も世の中にはいるので対処が難しいですよね。冷静な対応、素晴らしいと思います。 優先席付近での携帯電話使用についての今昔 以前は、心臓が正常に機能するように助ける『ペースメーカー』などの医療機器に悪影響が出ることを懸念した鉄道各社が、電車の利用時に携帯電話の電源を切るルールを設けていました。 しかし、2015年にルールが緩和され、客同士の身体が触れ合うほどの混雑時に、優先席付近で携帯電話の電源を切ることになっています。 総務省の指針によると、着用型自動除細動器で、15cmを越える距離で携帯電話の影響を受けるものがあったとのこと。 相手との距離が15cm以下まで近付く状況でなければ、2022年現在は、気にせずスマホを使用する人が多いでしょう。 ※写真はイメージ それでも、一部の人は以前のイメージから、混雑時でなくとも優先席でのスマホ使用を見とがめることがあります。 高齢男性も『優先席でのスマホ使用はNG』と覚えていたのかもしれません。 ですが、時代とともに技術は進歩し、マナーも変化していくもの。 目くじらを立てる前に、対話をして相手の事情を知る姿勢を、私たちは常に持っておきたいですね。 出典grape/@ma_doumu/総務省 電波利用ホームページ Share Tweet LINE
高齢者や身体が不自由な人などが、優先して座れる『優先席(優先座席)』。
人によっては、一部の利用者のマナーが悪く思えることもあるようで、たびたび話題になります。
一方で、マナー違反と指摘された行為に、深い理由があることも。Twitterでは、ある親子の体験談が注目を集めました。
『マナー違反』に渇を入れる高齢者
「優先席でスマホはあかんやろ!」
高齢男性に突然、そう怒鳴りつけられたのは、電車に乗っていた中谷正恵(@ma_doumu)さん親子。
どうやら高齢男性は、優先席に座る中谷さんの次女がiPadを使用する姿を見て、マナー違反に感じたようです。しかし、次女はiPadで遊んでいたわけではありませんでした。
次女は、知的障害をあわせ持つ『自閉症スペクトラム症』。コミュニケーションに特性があり、一般的に対人関係を築くことが難しいといわれています。
次女の場合、写真やイラストならば理解することが可能。そのため、絵カードを使ったコミュニケーション支援システム『PECS®』のアプリ(PECS Ⅳ+)を使用しています。
つまり、次女にとってiPadは意思疎通を助けてくれる福祉機器で、コミュニケーションには欠かせないものなのです。
ですが、初見の人には、iPadの重要性が分からないのも無理はないのかもしれません。
中谷さんは、高齢男性に次女がiPadを使う理由を説明し、驚かせてしまったことを謝罪しました。
対する高齢男性は、次女の事情を理解したのか、バツが悪そうにしていたといいます。
スマホやiPadは、はたから見るとなんの作業をしているのかが分かりにくいため、さまざまなシチュエーションで誤解を受けることがあります。
中谷さんが投稿した『iPadの活用方法』にハッとした人は多く、「初めて知った」という声が続々と寄せられました。
・知識不足こそ社会の障壁なのだと、改めて感じました。
・初めてそういったアプリがあることを知りました。勉強になります!
・唐突に怒鳴るのではなく、まずは穏やかに対話をしてほしい…。
・善意から注意する人のほかに、人を選んで怒鳴る人も世の中にはいるので対処が難しいですよね。冷静な対応、素晴らしいと思います。
優先席付近での携帯電話使用についての今昔
以前は、心臓が正常に機能するように助ける『ペースメーカー』などの医療機器に悪影響が出ることを懸念した鉄道各社が、電車の利用時に携帯電話の電源を切るルールを設けていました。
しかし、2015年にルールが緩和され、客同士の身体が触れ合うほどの混雑時に、優先席付近で携帯電話の電源を切ることになっています。
総務省の指針によると、着用型自動除細動器で、15cmを越える距離で携帯電話の影響を受けるものがあったとのこと。
相手との距離が15cm以下まで近付く状況でなければ、2022年現在は、気にせずスマホを使用する人が多いでしょう。
※写真はイメージ
それでも、一部の人は以前のイメージから、混雑時でなくとも優先席でのスマホ使用を見とがめることがあります。
高齢男性も『優先席でのスマホ使用はNG』と覚えていたのかもしれません。
ですが、時代とともに技術は進歩し、マナーも変化していくもの。
目くじらを立てる前に、対話をして相手の事情を知る姿勢を、私たちは常に持っておきたいですね。