動物園に動物を捨てる人たち 宇都宮動物園の飼育員が「許せない」思いをつづる By - grape編集部 公開:2019-05-01 更新:2019-05-01 動物園動物愛護犬 Share Tweet LINE ショックを受ける人もいるかもしれませんが、こういう現実があるということを知ってほしいので書きます。 2019年4月27日に投稿された、栃木県宇都宮市にある宇都宮動物園の飼育員によるブログがTwitterで話題になっています。 「許さない」というタイトルのこの投稿には、動物園で実際に起こっている悲しい現状がつづられていました。 動物園に動物を捨てていく人たち 投稿によると、同日20時ごろ、宇都宮動物園の飼育員用出入口に子犬が捨てられていたといいます。 悲しいことに、これは決して珍しい話ではありません。なんと、この1年間でラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバーの子犬が3回ほど、合計20匹以上捨てられていたというのです。 捨てられていた子犬たちは、警戒心が強く怖がりな子ばかり。最初のころは人を見てしっぽを振ることもなく、ただただ震えていたといいます。 宇都宮動物園でショーの練習をしている犬の『でん』も、この時に捨てられていた1匹。いまはこうして明るい表情を見せていますが、悲しい過去があったのです。 飼育員たちは、「子犬の系統と性格が酷似していること」「捨てられている状況が同じ」「ペットシーツを大量に買ったと思われる段ボールで捨てられていた」という3つの点から、悪質なブリーダーが関係していると予想しています。 どうしてこんなことができるのか…悲しい?悔しい?もう表現できない、言葉にできない感情でぐちゃぐちゃです。 正直、このブログを書くことも悩みました。 書くことで、子犬を捨てた犯人を多少追い詰めることはできても「じゃあ、今度は違う場所に捨てられたら?」「もしその捨てられた場所が、人があまり立ち入らない場所だったら?」「救えない命を生むことにつながりかねない…」そう考えると、書くべきなのか否か、何時間も悩みました。 でも、ほかの飼育員ともたくさん話し合い、解決に向かう第一歩として書く(動く)ことを決め、いまのブログ更新に至ります。 悩んだ末、「この悲しい現状を知ってほしい」という思いで記事をつづることにしたという、ブログを書いた飼育員。 また、動物園には「近所からうるさいとクレームがきた」「やんちゃすぎて手におえない」という理由で、飼い主が犬を持ち込むこともあるといいます。 宇都宮動物園では、犬の『しつけ教室』が行われています。その理由は、そういった目に遭う犬を減らすためでもあるのです。 ブログを書いた飼育員は、動物園に動物を捨てることについて、このようにコメントしています。 私たちも里親募集を昔から行っておりますが、業務上の防疫のため積極的に捨て犬などを受け入れているわけではありません。特別、里親用に収容スペースを設けているわけでもありません。 しかし「動物園なら」ということで、いまだにこちらに問い合わせが来たり、捨てたりということが後を立たず困っております。 ブログでは20匹と書きましたが、元社員がたまたま通りかかって見つけたものを含めれば28匹となります。そのうち、ブログに載せた9匹の前日には、親ごと捨てられた3匹の犬がさまよっていたようです。 私たちは、このような無責任で悲しいことがなくなることを願っております。 そして、いまは積極的に里親探しをしている団体やシェルターさんもたくさんありますので、動物園にではなく「まず拾った場合でも調べて適切な対応をしていただきたい」とも思っております。 「拾ってかわいそうだから、動物さんをお願いします」という手紙をそえて、動物をダンボールに入れて当園に置いていく方もいます。それは、捨て犬をしているかたと変わらない行為だと思います。 動物への愛ゆえ、あふれんばかりの怒りや悲しみが伝わってくる心からの訴え。 Twitterでは「そんな人がいるなんて信じたくない」「ひどすぎる。人としてありえない」といった声が多数上がっています。 動物を飼うということは、命の責任を持つということ。飼い主には、ペットを深く愛し、しつけをして、最期を見届ける責任があります。 出典grape/宇都宮動物園 飼育員のブログ Share Tweet LINE
ショックを受ける人もいるかもしれませんが、こういう現実があるということを知ってほしいので書きます。
2019年4月27日に投稿された、栃木県宇都宮市にある宇都宮動物園の飼育員によるブログがTwitterで話題になっています。
「許さない」というタイトルのこの投稿には、動物園で実際に起こっている悲しい現状がつづられていました。
動物園に動物を捨てていく人たち
投稿によると、同日20時ごろ、宇都宮動物園の飼育員用出入口に子犬が捨てられていたといいます。
悲しいことに、これは決して珍しい話ではありません。なんと、この1年間でラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバーの子犬が3回ほど、合計20匹以上捨てられていたというのです。
捨てられていた子犬たちは、警戒心が強く怖がりな子ばかり。最初のころは人を見てしっぽを振ることもなく、ただただ震えていたといいます。
宇都宮動物園でショーの練習をしている犬の『でん』も、この時に捨てられていた1匹。いまはこうして明るい表情を見せていますが、悲しい過去があったのです。
飼育員たちは、「子犬の系統と性格が酷似していること」「捨てられている状況が同じ」「ペットシーツを大量に買ったと思われる段ボールで捨てられていた」という3つの点から、悪質なブリーダーが関係していると予想しています。
どうしてこんなことができるのか…悲しい?悔しい?もう表現できない、言葉にできない感情でぐちゃぐちゃです。
正直、このブログを書くことも悩みました。
書くことで、子犬を捨てた犯人を多少追い詰めることはできても「じゃあ、今度は違う場所に捨てられたら?」「もしその捨てられた場所が、人があまり立ち入らない場所だったら?」「救えない命を生むことにつながりかねない…」そう考えると、書くべきなのか否か、何時間も悩みました。
でも、ほかの飼育員ともたくさん話し合い、解決に向かう第一歩として書く(動く)ことを決め、いまのブログ更新に至ります。
悩んだ末、「この悲しい現状を知ってほしい」という思いで記事をつづることにしたという、ブログを書いた飼育員。
また、動物園には「近所からうるさいとクレームがきた」「やんちゃすぎて手におえない」という理由で、飼い主が犬を持ち込むこともあるといいます。
宇都宮動物園では、犬の『しつけ教室』が行われています。その理由は、そういった目に遭う犬を減らすためでもあるのです。
ブログを書いた飼育員は、動物園に動物を捨てることについて、このようにコメントしています。
私たちも里親募集を昔から行っておりますが、業務上の防疫のため積極的に捨て犬などを受け入れているわけではありません。特別、里親用に収容スペースを設けているわけでもありません。
しかし「動物園なら」ということで、いまだにこちらに問い合わせが来たり、捨てたりということが後を立たず困っております。
ブログでは20匹と書きましたが、元社員がたまたま通りかかって見つけたものを含めれば28匹となります。そのうち、ブログに載せた9匹の前日には、親ごと捨てられた3匹の犬がさまよっていたようです。
私たちは、このような無責任で悲しいことがなくなることを願っております。
そして、いまは積極的に里親探しをしている団体やシェルターさんもたくさんありますので、動物園にではなく「まず拾った場合でも調べて適切な対応をしていただきたい」とも思っております。
「拾ってかわいそうだから、動物さんをお願いします」という手紙をそえて、動物をダンボールに入れて当園に置いていく方もいます。それは、捨て犬をしているかたと変わらない行為だと思います。
動物への愛ゆえ、あふれんばかりの怒りや悲しみが伝わってくる心からの訴え。
Twitterでは「そんな人がいるなんて信じたくない」「ひどすぎる。人としてありえない」といった声が多数上がっています。
動物を飼うということは、命の責任を持つということ。飼い主には、ペットを深く愛し、しつけをして、最期を見届ける責任があります。