ゴキブリはトイレに流してもいい? 気になる回答は「絶対に…」 By - grape編集部 公開:2025-08-08 更新:2025-08-08 ゴキブリトイレ害虫 Share Tweet LINE ※写真はイメージ 夏は、害虫の活動が活発になる季節。 特に、家の中に出没するゴキブリには悩まされますよね。 発見した時、すぐに退治して視界から消そうと、トイレに流す人もいるようです。 しかし、その処理方法は間違っているかもしれません。 ゴキブリをトイレに流したらダメな理由 grapeは、福岡県宗像市にある、林外科・内科クリニックの林裕章理事長に話をうかがいました。 林理事長によると、ゴキブリは、死骸・糞・抜け殻までもが強力なアレルゲンとのこと。 「室内から速やかに除去すること自体は重要です」と指摘したうえで、次のように注意喚起をしています。 林裕章理事長 ゴキブリは、体側にある呼吸用の穴『気門』を閉じ、約40分は水中で生存可能で、トイレに流しても死にません。 生きたゴキブリをトイレに流すと、下水道で生き延びた個体群が増殖。排水管経由で、家に再侵入する可能性があります。 直接手で触らないよう、トイレットペーパーを重ねた状態でゴキブリを捕獲した後、そのままトイレに流すのは得策ではないようです。 大量の卵をカプセルのように包んで保護する『卵鞘(らんしょう)』の問題もあり、ゴキブリのメスをトイレに流すと、下水道内で卵が孵化(ふか)する恐れがあるといいます。 また、絶命したゴキブリでも、水に溶けない物体を流せば排水管が詰まることも。下水処理施設側の管理コストの観点からも、流すのは望ましくないようです。 ※写真はイメージ それでは、どのような処理方法が適しているのでしょうか。 林理事長は、おすすめできる方法と手順を紹介しています。 林裕章理事長 公衆衛生上も昆虫学上も、『生きたままトイレに流す』は絶対に避けるべき。 安全・確実なのは『確実に絶命させ、密封して可燃ゴミ』に出すことです。 【具体的な手順】 害虫用『瞬間冷却スプレー』の使用や、物理的に叩くなどして、確実にゴキブリの動きを止める。 素手でゴキブリに触れないよう、ティッシュや紙コップを用いて回収し、チャック付きの袋に入れて可燃ゴミへ。 食品の残りかす、水分源を断ち、家の隙間をコーキングする。頻繁にゴキブリが出る場合は、殺虫成分を含む毒餌(ベイト剤)や、専門業者による『総合的有害生物管理(IPM)』を検討。 『IPM』とは、有効かつ適切な技術を組み合わせ、人の健康に対するリスクと、環境への負荷を最小限にとどめる方法で、有害生物の管理対策をすること。 殺虫剤に頼りすぎると、耐性を持つ個体が現れることも。きちんと害虫の生態調査を行い、総合的な対処方法を取れば、低リスクで害虫を防除できます。 ゴキブリに何を噴射する? 殺虫剤は、子供やペットがいる家庭では使用を控えたいもの。 林理事長は、手指消毒などに使われる、高濃度アルコールスプレーを噴射して、ゴキブリを退治する方法を挙げました。 少し時間をおけば揮発するため、「周囲への影響が少なく、即効性もあり効果的」と述べています。 ※写真はイメージ 病院はもちろん、家の台所や、洗面所などに置いている家庭も多いのではないでしょうか。 ゴキブリにアルコールをかけるとどうなるかは、こちらをご覧ください。 脂質溶解・脱水:ゴキブリの体表(外骨格)の防水ワックス層が溶ける。 神経抑制:アルコールが神経系などを抑制し、麻酔状態を誘発。 気道閉塞:低表面張力のアルコール液が、ゴキブリの『気門』を物理的に塞ぐ。 散布が薄いと、ゴキブリが復活する可能性が高いので、体表からアルコールがしたたるほどかけるのがポイント。 窒息と麻酔に似た効果で、数十秒から数分で運動不能になるようです。 石鹸や洗剤をかけても似た効果が得られますが、シンク内や風呂場以外では、噴射しづらいもの。アルコールなら比較的場所を選ばず噴射できてよさそうですね。 アルコールで運動不能に陥ったゴキブリは、潰すなどした後、チャック付きの袋に入れて、可燃ゴミに出せばOK! ただし、アルコールは引火性が高いので火気厳禁です。コンロなどの付近での使用は控え、必ず換気を行ってください。 今までゴキブリをトイレに流していた人は、より適切な方法を取り入れてみませんか。 出典grape Share Tweet LINE
夏は、害虫の活動が活発になる季節。
特に、家の中に出没するゴキブリには悩まされますよね。
発見した時、すぐに退治して視界から消そうと、トイレに流す人もいるようです。
しかし、その処理方法は間違っているかもしれません。
ゴキブリをトイレに流したらダメな理由
grapeは、福岡県宗像市にある、林外科・内科クリニックの林裕章理事長に話をうかがいました。
林理事長によると、ゴキブリは、死骸・糞・抜け殻までもが強力なアレルゲンとのこと。
「室内から速やかに除去すること自体は重要です」と指摘したうえで、次のように注意喚起をしています。
ゴキブリは、体側にある呼吸用の穴『気門』を閉じ、約40分は水中で生存可能で、トイレに流しても死にません。
生きたゴキブリをトイレに流すと、下水道で生き延びた個体群が増殖。排水管経由で、家に再侵入する可能性があります。
直接手で触らないよう、トイレットペーパーを重ねた状態でゴキブリを捕獲した後、そのままトイレに流すのは得策ではないようです。
大量の卵をカプセルのように包んで保護する『卵鞘(らんしょう)』の問題もあり、ゴキブリのメスをトイレに流すと、下水道内で卵が孵化(ふか)する恐れがあるといいます。
また、絶命したゴキブリでも、水に溶けない物体を流せば排水管が詰まることも。下水処理施設側の管理コストの観点からも、流すのは望ましくないようです。
※写真はイメージ
それでは、どのような処理方法が適しているのでしょうか。
林理事長は、おすすめできる方法と手順を紹介しています。
公衆衛生上も昆虫学上も、『生きたままトイレに流す』は絶対に避けるべき。
安全・確実なのは『確実に絶命させ、密封して可燃ゴミ』に出すことです。
【具体的な手順】
『IPM』とは、有効かつ適切な技術を組み合わせ、人の健康に対するリスクと、環境への負荷を最小限にとどめる方法で、有害生物の管理対策をすること。
殺虫剤に頼りすぎると、耐性を持つ個体が現れることも。きちんと害虫の生態調査を行い、総合的な対処方法を取れば、低リスクで害虫を防除できます。
ゴキブリに何を噴射する?
殺虫剤は、子供やペットがいる家庭では使用を控えたいもの。
林理事長は、手指消毒などに使われる、高濃度アルコールスプレーを噴射して、ゴキブリを退治する方法を挙げました。
少し時間をおけば揮発するため、「周囲への影響が少なく、即効性もあり効果的」と述べています。
※写真はイメージ
病院はもちろん、家の台所や、洗面所などに置いている家庭も多いのではないでしょうか。
ゴキブリにアルコールをかけるとどうなるかは、こちらをご覧ください。
散布が薄いと、ゴキブリが復活する可能性が高いので、体表からアルコールがしたたるほどかけるのがポイント。
窒息と麻酔に似た効果で、数十秒から数分で運動不能になるようです。
石鹸や洗剤をかけても似た効果が得られますが、シンク内や風呂場以外では、噴射しづらいもの。アルコールなら比較的場所を選ばず噴射できてよさそうですね。
アルコールで運動不能に陥ったゴキブリは、潰すなどした後、チャック付きの袋に入れて、可燃ゴミに出せばOK!
ただし、アルコールは引火性が高いので火気厳禁です。コンロなどの付近での使用は控え、必ず換気を行ってください。
今までゴキブリをトイレに流していた人は、より適切な方法を取り入れてみませんか。