定食屋に現れた、疲れた顔のサラリーマン 彼がカレーうどんを頼んだワケは
『カレーうどんを、お願いします』 日中忙しく、いつも最寄り駅に帰りつくのは、22時くらい。そんな時間でもあいているお店は少なく、わたしはいつも同じ定食屋さんに通っている。 吉祥寺駅から歩いて3分ほどの、カウンターが6席と…
『カレーうどんを、お願いします』 日中忙しく、いつも最寄り駅に帰りつくのは、22時くらい。そんな時間でもあいているお店は少なく、わたしはいつも同じ定食屋さんに通っている。 吉祥寺駅から歩いて3分ほどの、カウンターが6席と…
『あの日、ひときわ高い夏空の下で』 その友は、高校野球の名門校に迷わず進学した。甲子園出場の常連校であり、野球小僧であれば誰もが憧れる高校である。 友にとって3年生最後の夏も、出場を射止めた。そしてその夏は、友だけでなく…
『京都まで』 京都へ向かう阪急電車だった 通路を挟んだ隣は四人がけのボックス席で そこに少しやんちゃな風体のおにいちゃんと せいいっぱい化粧をしたおねえちゃんがいた 土曜日の昼さがり 午後の日ざしが柔らかな秋のことだった…
『夫婦』 7年前に亡くなった両親。 長年がんで闘病した後に自宅で看取った母。 そんな母の四十九日の準備をしている時に、突然倒れて6時間後に亡くなった父。 父と準備した母の四十九日を延期して、夫婦で納骨、四十九日を行ったの…
『2017年の春のこと』 今年の春、16年間を共に過ごした愛犬がこの世を去った。ラブラドール・レトリバーの雌犬で、とても人懐こく、かつ賢い犬だった。 大型犬で16歳というと、随分と長生きの部類になるが、ごはんの時間には子…